ひとりで行くソロ焚き火の魅力とはじめの一歩の踏み出し方

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ソロ焚き火とは文字通り、ひとりで焚き火をすることです。野外で仲間や家族と一緒に火を囲んでにぎやかに過ごすのももちろんたのしいものです。一方で、ひとり静かに小さな焚き火を見つめ、ゆっくりと流れる時間に身を任せるひとときには特別なたのしさがあります。ソロ焚き火の魅力と何から始めたらいいのかをまとめてみました。

ひとりなので自由で気ラク

誰かと一緒に行くと気を遣わないといけません。日程調整から始まって、場所決めをどうする、メニューはどうするなど準備段階からいろいろとやりとりが発生します。現地に着けば着いたでいろいろなことが起こります。正直、煩わしくなるときもあるでしょう。リフレッシュしに来たはずなのに、余分なことで疲れてしまったり。人付き合いは大変ですよね。

一人なら思い立ったらすぐに行けます。現地に着いてどこで焚き火をしようが、いつから始めようが、火が着くとか着かないとかも自分次第。全くの自由です。人目を気にする必要もありません。ご飯もお腹が減ったら食べればいい。お酒を飲んで好きなときに寝ればいい。気ラクさは何よりです。自然と一体化する誰にも邪魔されないひとりだけの時間。贅沢に過ごしてみましょう。

装備は必要最低限でOK

一人なので余分な装備は要りません。自分一人が焚き火ができたらそれでいいわけです。ソロ焚き火に必要な道具は、焚き火台、マッチ、軍手、火ばさみ、うちわ、携帯用のバケツがあればOKです。最初は道具集めにお金なんて掛けないでください。身のまわりにあるもので十分です。火ばさみも百均に優れものが売っています。この中で焚き火台だけは購入する必要があります。直火といって直接地面で火をおこせる場所は限られているからです。組み立てが簡単で収納したときにコンパクトになるソロキャンプ用の焚き火台を選んでください。

複数回行くようになったら専用のグローブやナイフをプラスしたいです。火の取り扱いや薪を触ったときのトゲ防止にはグローブがあった方がいいし、ナイフ一本あれば薪を加工したり調理をしたりできるからです。自分なりのこだわりの逸品になれば満足度もアップしますよね。これに、日帰りならコーヒーを飲むためのカップとコーヒー、泊まりなら一人用の調理器具と食材、寝るための装備といったところでしょう。宿泊ならいわゆるソロキャンプの世界になります。

できるだけ周囲に人が少ない場所を選ぶ

一人ゆったりしようとしているのに、周りで声が聞こえたり、騒いでいるような場所だとそれが叶いません。場所はできるだけ人がいない静かなところを選びましょう。といってもそんなところがあるのかですね。完全に一人となると山の中にでも入らないかぎり難しいですよね。

近所の公園なら隅っこの場所とかキャンプ場でも人が少ないマイナーなところを選ぶなどです。一人で焚き火をするだけですから、最低限のスペースがあればOKです。休日のバーベキュー場やメジャーなキャンプ場には間違っても行かないことです。

とっておきの非日常空間

会社と自宅の往復、通勤電車の中、会議室での打ち合わせ・・・毎日はそんなことの繰り返しではないですか。同じ場所、同じ人たちとの接点を続けていても現状に変化は生まれません。何かを見直したいのなら日常から離れてみることです。

焚き火をつくるには燃料集め、焚き付けの仕分け、薪組み、着火、育てる、熾にするといった一連のながれがあります。一つひとつの作業は自然相手でシンプル。没頭集中できます。じっと焚き火の揺らぎを見てボーっとしているだけで雑念が消え去っていくのがわかります。こんな時間は他では味わえません。ソロ焚き火は自然の中に溶け込み、非日常を演出してくれる空間です。何より自分だけの世界がつくれるのが最高と言えます。

燃料はできるだけ現地調達

焚き火をするのに薪はどうしたらいいの?ということになります。もちろんお店に行けば売っています。でもソロ焚き火をするならぜひ現地調達してみることをおすすめします。行った先の周辺に落ちている木枝を拾います。細いものから太いものまで取り混ぜていきます。着火材もスギの枯れ葉や松ぼっくりがベストです。見つからない時もあるので新聞紙を持参しましょう。新聞紙は万能な着火剤になります。

近所の公園を歩いていても「焚き付けになるものはないかなあ」とアンテナを立てていると新しい発見があります。「この木はなんている名前の木なんだろう」そういう目線で見るだけで視野が広がります。自然にあるものを利用することで焚き火の魅力が倍増します。どんなものだとよく火が着くのかも試せて奥が深くもなります。自然のものを利用してイチから焚き火をつくれるようになると、ますますたのしさが広がっていきます。

極上のひとり時間を過ごす

忙しい日常から一歩離れて、暗闇の中、焚き火の炎をじっと見つめていると、心がシーンと静まり返って無になるような感覚になります。火にはそんな心を落ち着かせる不思議な力があります。

誰か一緒にいる時より一人でいる時の方が時間がゆっくりと流れていきます。人と一緒にいるのは不安をなくしたいからというのもあるのではないでしょうか?そんな状況を離れ、一人で過ごすのもそれはそれでたのしいものです。いつも一人だとつらいところもありますよね。そんなときソロ焚き火は「極上のひとり時間」を演出してくれます。

自分とのコミュニケーション

「最初は仕事のこととか考えているけどそのうち何も考えず無心になって、ただ火をじっと見つめていた」「寒い日に暖をとった経験で焚き火の偉大さを知った」「心が解き放たれる気持ちになった」

常日頃は自分のまわりに必ず誰かがいるものです。誰かがいると何かしらしがらみがあることになります。雑音も入ってきます。誰にも邪魔されることなく、たまに一人になってみるのも良いものです。むしろ定期的に一人になる時間をつくってみましょう。一人で焚きつけを拾い、火を熾し、焚き火を見つめていると雑念が消えていきます。いったんリセットして物事が考えられるようになります。

逆に一人でいると、思った以上に寂しく感じるときもあります。普段自分のまわりにいる人の存在のありがたさに気づくことができます。火ひとつ保つのにも手間がかかります。誰も代わりをやってくれません。そんな「当たり前」の大切さを感じることができるのもソロ焚き火の良さと言えます。

まずは日帰りからトライ

「焚き火に行くとなるとキャンプをしないといけない」そう思っていませんか?寝床を準備するにはテントを買わないといけない、ごはんを食べるにはそれなりの火の準備ができるようにならないと大変な思いをする・・・どうしたらいいの?という感じですね。確かにいきなり宿泊となると装備や段取りでハードルが上がってしまいます。

まずは日帰りで一度焚き火をやってみることをおすすめします。場所もキャンプ場となると予約から始まって大げさになります。近くにある公園でバーベキューができるところを探してみましょう。そういった場所なら昼間の時間で小さな焚き火をたのしむことができます。焚き火をするということはどんなことなのかを体験して、慣れてきたら宿泊へとステップを上げていきます。焚き火をするのが目的なのに、準備や段取りで振り回されていたら本末転倒になります。

まとめ

現代社会は雑踏と人付き合いに追われる毎日です。予定や時間に縛られています。暇さえあればスマホを見ているある意味おかしな状態です。息が詰まるときもあるでしょう。そんなときにソロ焚き火に出かけてみましょう。ソロ焚き火のたのしみ方は無限大。自分だけの世界をつくってくれるすばらしい場です。